*3話*
「自分で乗り込んでおいて、分からねえって事はねえだろ」
ルークの答えにユーリは眉をぎゅっとしかめた。
それが苛立ちからくるものだと察したルークは慌てた。
本当のことだったが事情を知らない者や意味の取りようによっては、この答えは不味
かったかもしれない。
しかし、これ以外の答えの持ちようがないルークはどう弁解すべきか分からずに困り
果てた。
こんなときジェイドがいたらうまく説明してくれるんだろうに。
ここにはいない仲間の陰険めがねのことを思い浮かべて、無駄だと分かっていてもヘ
ルプミーと叫びたくなってくる。
もしいたとしても来てくれるわけ無いという事は分かりきってはいるのだが・・・・
「本当に分かんないんだよ。さっきまで屋敷の自分の部屋にいたはずなのに、気付い
たらここにいたんだ。自分でここに来てんだったらこんな騒ぎになる前にさっさと屋
敷に戻るに決まってるだろ」
上手く弁解する言葉が見つからなくとも黙ったままだと刻一刻と最悪な事態へと傾き
そうだった上に、何をどういえば分からない頭はパニックを起こし思うままをぶちま
けた。
少々口調が荒くなってしまったのは仕方の無いことだ。
今の状況でそれはまずいとしても実質7年しか生きていない中身が子供のルークにはそ
れが精一杯のことだった。
「信じられねえな」
「信じられないわね」
茶髪の女の子―――リタとユーリの言葉が合わせたかのように異口同音で発せられる。
言葉の内容まで一緒の二人は不機嫌そうに眉をしかめている。
特にユーリの方は目つきが先ほどよりも鋭くなり、そこはかとなく殺気が漂い始めて
いる。
「リタもユーリもそう切り捨てること無いんじゃないですか?嘘じゃなくて本当のこと
かもしれないじゃないですか」
そんなユーリをなだめる様にエステルがわってはいる。
「エステル、それじゃ甘いのよ。密航者に情けは無用なのよ」
「まあまあ、おっさんはもう少しそこの青年の話を聞いてもいいんじゃないかと思うん
だけど」
エステルを押しのけて今にも魔術をルークに向かって放ちそうなほど殺気立つリタをレ
イヴンがなだめる。
「おじさまが男の人をかばうなんて、もしかしておじ様とこの人はグルなのかしら?」
「ちょっ、ジュディスちゃん、なんでそうなるの!ぜんぜんかばってないでしょ!それ
に俺様とこっちの青年は初対面だってっ!」
「おっさんだったらありそうだよな」
「青年もひどい!おっさん泣いちゃうよ」
「・・・・・あんたら今まじめな話をしてるんだから。バカ話はやめなさいよ」
ふざけ半分の口調でジュディスがからかうと、ユーリもそれに乗っかって一緒にからかう。
鋭くなりすぎた空気を緩ませようとしてのやり取りだったらしく、緊迫感に満ちていた空
気が一瞬にして緩む。
会話の意図を察して乗っかった節のあるユーリだったが、目の奥にはまだ先ほどの鋭さが
残っていた。
それでもパニックになりかけていたルークは、最悪な事態に向かって急激に傾いていく空
気がどうにかなってくれただけで十分だった。
こっそりと安堵のため息をつくと、肩をつつかれた。
思わずビクッとしてしまったルークの顔を覗き込む影。
光を遮る形で覗き込んできた少年――――カロルに焦点を合わせると、こちらを心配そう
に見つめてくる瞳にぶつかった。
労わるような色を込もったその目にルークが思わず感動しかけたとき、
「正直に言っといたほうがいいよ。リタが切れると手に負えないから」
「・・・・・・・・・・」
諭すように言われた一言にルークは
『俺は嘘言ってぬぇ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!』
と叫んだ――――心の中で・・・・・・。
実際に叫んでも事態は好転しないと察し始めていたからだ。
ルークは疲れたようにがっくりと肩を落とした。
← →
誰も味方がいません。
四面楚歌な状態でどうやって事態を打開させるのか!
書いてて楽しいんですが(根がSなもので)いい加減ルークがかわいそうになってきたから
いい加減打開させる方向に話を持っていこうかと思います。
さて、どうやって展開させたものか・・・・・・
もう1つの方に対して、こっちは気が向いたときに書くので、亀を通り越してナメクジ
更新になると思われますが、それでもいいという方は、気長にお待ちください。
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