*2話*






「あんた何処から乗り込んできたんだ?」

「・・・・・・俺の方が聞きたいよ」



当たり前といえば当たり前な男の問いに、思わずルークの口から本音がこぼれる。

本心からの言葉ではあったが、別の捉えかたをされたらしく、男の眉間に皺がよ

り険しかった視線がさらに鋭さをまし、警戒と不審の上に嫌悪の感情が混じる。



「お貴族様にとって、下民に対する答えは持ち合わせてないって?」

「は?ちょっと待ってくれ。お貴族様って・・・俺は別に答えをはぐらかすつも

りじゃ・・・・」

「ユーリどうしたの?」

「今変な悲鳴が聞こえてきましたけど。何かあったんです?」



誤解されたと気付いたルークは慌てて弁解する為言葉を重ねようとしたが、男の

後方からやってきた二人の言葉に消される。

やってきたのは、12歳くらいの独特な頭と大きなかばんが特徴の少年と、白を

基調にした花びらのような服を着たピンク色の頭をした少女だった。



「なんかあったっていうか、知らねえ奴がいたんで尋問してたとこ」

「変な悲鳴・・・・・」



やってきた二人に男――ユーリが答えている横で、ルークは微妙にへこんでいた。

落ちそうだったし、他の事を気に出来る余裕はなかったけど・・・・・そんなに

そんなに変な悲鳴あげてたんだ、俺・・・・・・・・・

上げていた時は気付かなかったが、後で他人に指摘されるとちょっと恥ずかしい。

そんなルークをよそにユーリ達の話は進み、甲板が騒がしい事に気付いたのか、

さらに数人船室から出てくる。



「何、なにがあったわけ。うるさくて本に集中できないんだけど」

「あれ〜ん。なんか人が増えてない?」

「・・・・・・・・・・」



茶髪の気の強そうな女の子に、紫の羽織を着た胡散臭そうな親父に、露出の激し

い服を着た女性。

ぱっと見、どうゆう団体なのかが分からない。



「彼、突然甲板に現れたそうよ」



甲板に出てきてからずっと黙ったままだった女性が、まっすぐルークを見つめな

がら言った。



「突然って、一体どうやってだよ?」

「それは知らないわ。私じゃなくて彼に聞かなくちゃ」



女性の言葉に、その場にいた全員の視線がいっせいにルークに向く。

突然視線を向けられたルークは、その視線の強さにちょっと体を後ろに引く。

何を求めて向けられた視線なのかは何となく分かるのだが、自分でもどうしてこ

こにいるのか分からないのに、答えられるはずがない。

しかし自分に集中している視線はルークが返事を返すのを今か今かと待っている

様子だ。

ルークは返す事の出来る唯一の答えを返す為に大きく息を吸った。





「ごめん、どうして自分がここにいるのか俺にもわからないんだ」





「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」





ルークのあっからかんとした答えに、それぞれがそれぞれ色々含むものがありそ

うな沈黙を返した。















もう一つのバージョンと違ってユーリの警戒心がバリバリです。
子供の姿と違って青年の姿だから仕方ないんでしょうけども、子爵服着てるから余計に
ユーリがつんけんしてます。
時間軸をよく考えずに書いているので、特に突っ込みは無しでお願いします。
短期滞在ものにしたいので、本編には絡まない予定です。
もう1つの方に対して、こっちは気が向いたときに書くので、亀を通り越してナメクジ
更新になると思われますが、それでもいいという方は、気長にお待ちください。



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