*35話*












「で予測とはいえ、そのコンタミネーションだと思う根拠はどの辺からきてんだ?似てるった

って、全く違う場合だってあるだろう」



ルークの表情が穏やかなものに戻ったのを確認して、先程の答えの中で気になっていたことを

口にする。



「ん〜、と・・・説明するより見せた方が早そうだし、ちょっと確認したいことがあるから、

実際にやってみせるな」



そう言うとルークはローレライの鍵に手をかざし、超振動を使うときのように、フォンスロ

ットを開く。

開いたフォンスロットに反応するように、ローレライの鍵は光の粒子へと姿を変え、消える。

光を失う寸前、それはルークに向かって収束するように見えた。

目の前にあった物が消えるその光景は現実感を伴わないが、先程まで確かに触れていたのだ

から夢幻ではないのは確かだ。



「消えた・・・・・・・」



全く動揺など抱いていないように見えたユーリだったが、ぽつりとこぼれ落ちた言葉には紛

れもない驚愕が宿っていた。

それが自分が初めてジェイドの武器の出現を目の当たりにした自分の驚愕と重なって、思わ

ず笑いがこぼれた。

笑われたことに対しての抗議の視線をもらって、ルークはあわてて顔を引き締める。

武器をしまうことはできた。

後は出すだけなのだが、その出し方がよくわからない。

が、全く手掛かりがないというわけではない。

先程、騎士の剣を受け止める寸前に感じた普段とは違うフォンスロットの独特な振動を思い

出す。



その感覚をなぞるように、慎重にフォンスロットを開き手を前に突き出す。







何の反応もないまま一秒、二秒・・・・









これでは方法が違うのかと諦めかけた時、目の前の空間が震えたように感じた。

フォンスロットから何かが抜けるような感覚と共に、先程の光景をなぞるように光の奔流が

空間を震わせ、つきだした手の中に再びローレライの鍵が収まった。

消えた時同様に、レムの塔で宝珠が出てきた時と同じように―――















「・・・・やっぱり」



これはジェイドと同じコンタミネーションだ。

自分の中の勘のような物がそう告げている。



「これはコンタミネーションだよ。あ、えーと・・・根拠は・・・・・・・・・勘?」

「・・・・またずいぶんな根拠なことで」



と、呆れたようにいってくるユーリに自覚はあるのかルークは頬を赤くして「うるさいなっ」

と返して、そっぽを向いた。



「ま、武器を自由に出し入れできるってのはわかった―――が、だからってさっきみたいな

マネをしていいってわけじゃねえからな」



もう無理はしないと約束した昨日の今日である。さすがにユーリの声は鋭い。

無茶をやらかした自覚はあるのか、気まずそうにルークは目をそらした。



「ルーク?」

「う゛っ・・・・・・・」



ただ名前を呼ばれただけだが、その声の低さはユーリが怒っていることを如実に伝えてきて、

ルークは観念したようにがっくりと肩を落とした。





「もう無理はしないって約束したのは昨日じゃなかったか?」

「ごめん・・・・とっさのことだったし、考える前に体が動いてたんだ」

「それでこっちの肝を冷やされたんじゃたまったもんじゃねえぞ」

「ううう、返す言葉もございません・・・・」



完全に自分に否がある事が分かりきっているが故にルークはただ申し訳なさげに縮こまるし

かなかった。

自分のバカさ加減にズーンと気持ちが沈む。

ひよこのように立っている癖毛も心なしかへにゃっと萎れているようにも見える。

その十分反省していることが感じ取れる様子に、ユーリはふー、と息をはくと仕方ねえなと

いう表情を浮かべた。

そして両手でわしっとルークの頭をつかむと、少々乱暴にその小さな頭をなでた。

髪をかき回すようなそれに、ルークから非難のこもった小さな悲鳴が上がる。

それにかまわずなで回す手に力を込めると、どうにかしてその手を止めようと奮闘し出す。

どこか子犬じみたその姿にユーリは楽しげな笑い声をあげたのだった。









ルークinヴェスペリア第35話をお送りしました。

大佐がどうやって槍を出し入れしてるのかよく分かってないんで、想像で書いてます。
色々おかしいところは鼻で笑ってスルーしてください。
切実に文才が欲しいです・・・・・・


続きはのんびり待ってください。








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