*30話*
ユーリが彗星に戻ると、ドアが開く時になるベルの音を耳ざとく聞きつけたテッドがこちらに走り寄ってくるのが見えた。
「ユーリ、ルークはどうだった?」
「まだ寝てる」
ユーリの元にたどり着くなりルークの事を聞いてくるテッドに、どこか微笑ましさのようなものを感じつつユーリは腰に
手を当てて答えた。
「昨日の事が事だったし、疲れてんだろ。無理させるのもなんだしもう少し寝かせといた方がいいだろ」
「そっか・・・・・まだ起きないのか」
ものすごく残念そうな顔でつまらなそうに呟いたテッドに思わず苦笑がもれる。
相当ルークの事が気に入ったようだ。
自分より年下で素直そうなルークはかわいい弟のように感じているのだろう。
ユーリがそんな事を考えていると、ルークがいないことに対しての感情の切り替えが終わったのかテッドがユーリの服の
すそをひっぱってきた。
「?」
「ルークが来るのはもう少し後なんだろう?準備は出来てるからユーリだけでも先に食べなよ」
「ん?もしかしてルークの分も作ってたりしてんのか?」
ぐいぐい自分の服のすそをひっぱってくるテッドに聞くと、
「まだだよ。食事食べられる状態か分からないし、ユーリが帰ってきてから何作るか決めるってさ。でも、ユーリの話を
聞く限り作り始めてなくて正解だったね」
「だな。さすが女将さん、年食ってる分いい読みしてるよ」
「ユーリ〜?なんか聞こえたわよ?」
「やっべ」
失言に反応するようにあがった女将の声にぺロッと舌を出してユーリは肩をすくめた。
テッドに促されるように案内されたテーブルにはすでに湯気を上げた朝食が置かれていた。
「案内サンキューな」
テッドの頭を軽く撫でて礼を言うと、ユーリは席についてできたてほやほやの食事をかきこみはじめた。
平和その物だった一日の始まりの終わりを告げるように、彗星の扉が壊れんばかりの勢いで開かれ、扉につけられたベル
が騒々しい騒音を立てたのはユーリがちょうど食事を終えた時だった。
弾丸のような勢いで店に飛び込んできた青年に、ちょうど扉の前にいた男が「危ねえじゃねえか」ともっともな抗議の声
上げた。
「わるい、急いでたんだ。っと、そうだ。大変なんだ騎士団の連中が――――」
と、店に飛び込んできた青年がまくし立てるようにそう口にしたとたん、我関せずといった態度で青年を見つめていたユ
ーリの目がスッと細まった。
食事の終わった食器を手に静かに立ち上がると、近くにいたテッドに渡して店にいる者達に窮状を訴えている青年に近付
いていった。
「騎士団の連中がどうしたって?」
「ああ、ユーリちょうどいい所に」
最初の言葉に反応して事情を聞くために集い始めていた者達をかき分けるように、ユーリが青年の前に顔を出すと、青年
の顔は助かったといった表情でユーリを迎えた。
ルークinヴェスペリア第30話をお送りしました。
話の展開が遅くて泣きたくなります。
切実に文才が欲しい今日この頃・・・・・・
続きはのんびり待ってください。
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