*13話*
「窓から・・・・・・」
「うん?」
散々迷って、口ごもりながらもルークは話し始めたが、すぐに言いずらそうに
口ごもりそうになる。
よほど言いたくないらしい。
しかし軽く促すようにユーリが相槌をうつと、また口を開いて話を続ける。
「流れていく荷物が見えたんだ。
あそこって水路だろ?カンドックさんの物だったら大変だと思ったら居ても立
ってもいられなくなって追いかけたんだ」
「・・・・・・で」
何か言いたそうな顔をしながらも、口にはせずただ先を促す。
「すぐに追いついて引き上げようとしたんだけど、その・・・持ち上がらなくて。
そのまま引き摺られるように―――ドボンと・・・・・」
「落ちたと。パッと見て無理だとは思わなかったのか?あの荷物、お前と同じく
らいの大きさだったと思うんだが」
「大丈夫だと思ったんだ。持ち上げるのは無理でも引き止めて置くぐらいはで
きるはずだったんだ」
「・・・・その根拠はどの辺から来てるんだ?」
そう言ったユーリの顔には少し呆れたような表情が浮かんでいる
. . .
「前はできたんだ」
「・・・・・・・前・・・ね」
含んだようなルークの言葉に色々突っ込みたい気持ちもあったが、ユーリはた
だ呟くにとどめる。
訊こうと思えばいつでも訊けるだろうと思ったからだ。それに今はそんな事よ
りも言うべき言葉がある。
ユーリは真剣な顔をして視線を合わせるように屈みルークの顔を覗き込んだ。
「大事にならなかったからいいが、下手したら大事故になってたかもしれない
んだぞ。次からもう少し考えてから動けよ」
「ごめん・・・・」
言い返すこともできずに素直に謝る。
表情を見る限りもう十分反省していることが分かる。
そのことを確認すると、ユーリは表情を緩め、優しくルークの頭を撫でてやった。
そんなユーリの反応に、もっと怒られると思っていたのだろうかルークは戸惑
ったような表情を向けてきた。
優しい仕草をするたびに戸惑いを返してくるこの朱毛の少年にユーリは思わず
苦笑いを浮かべた。
今まで一体どんな環境に置かれてきたんだか・・・・・
「まあ、過ぎた事をこれ以上とやかく言わねえが、次からはちゃんと人に頼めよ。
こんな事しょっちゅうやられたらこっちの心臓がもたねえから」
「次から気をつけるよ」
「そうしてくれ」
ルークの答えに満足げに頷いたユーリはまだ知らない。
気をつけるといったルークが無茶を無茶とは思わず、これからも無茶をして周
りを慌てさせたりユーリに心臓を竦ませるような思いを何度もさせたりするとは
――――――まだ、知らない。
ルークinヴェスペリア第13話をお送りしました。
ルークが叱られる話です。
ユーリ過保護計画の始まりのゴングが鳴った気がします。
ようやくユリルクへの道筋が見えてきました・・・・・・がんばれ私、道はまだまだ長いぞ(爆)
続きはのんびり待ってください。
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