*8話*
もう何度目かの路地を曲がり走り抜ける。
ラピードの声を追って走っているのだが、先程からずっと水路の近くを走っている
ような気がする。
ユーリはある可能性に眉をひそめた。
「・・・・・・・・・・・」
まさか水路に落ちてるとかはないだろうな?
否定したい可能性なのだが、追っている方向といい自分が走っている場所といい、
どう考えてもそれが正解な気がしてきた。
水路に落ちていると考えると、ラピードが自分を呼びにこないでずっと吠え続けて
いることにも納得がいく。
ルークが水路に落ちてもラピードは泳げないので跳びこんで助ける事は出来ないだ
ろうし、落ちた場所がユーリから遠かったら呼びにいくまでに時間がかかってしまう。
ルークの近くで吠えていたほうが、誰かしらが気付くと考えたのだろう。
しかし、いまだに吠え続けているということは、まだ救出されていないということ
で・・・・・・・・
ルークの陥っているであろう最悪の事態を思い、ユーリは走る速度をさらに上げよう
と強く地面を蹴ったとき、近くまで近付いてきていたラピードの声が途切れた。
最悪の事態が現実になったのかと血の気が引く。
とにかく急ごうと、トップスピードのまま路地を駆け抜ける。
後少しで路地を抜けるその先には水の流れが見えた。
その瞬間、路地から飛び出したユーリの足元にさっと影が走った。
「っと、ととっ!!」
それを踏みそうになり、避けようとしてバランスを崩し、危うく水路に飛び込んで
しまいそうになったが何とか倒れずに持ちこたえた。
流石に文句の1つは言おうと振り返ると、そこにはラピードの姿があった。
心配していた事は杞憂だったかと、気を抜きかけたユーリだったが、ラピードと一緒
にいるはずのルークの姿がないことに気付くと眉をしかめた。
「ルークは何処だ?一緒にいるんじゃなかったのか?」
ユーリが疑問を口にすると、ラピードはついて来いというように視線を残しつつ踵
を返すと水路の下流の方角に走り出した。
その後を追いながら、自分が感じていた嫌な予感が再び首をもたげてくるのを感じ
て、ユーリはため息をついた。
ラピードの後を追っているとすぐに水に浮かぶ荷物と、赤毛の小さい頭が見えた。
ユーリは前を走っているラピードに並ぶと、その勢いのまま水路に飛び込む。
派手な水飛沫が上がり街路地とラピードを濡らし、ずぶ濡れになったラピードが嫌
そうに鼻筋に皺を寄せ抗議するように短く吠える。
ラピードの当然の抗議など全く気にせず、さらりと無視してユーリはルークのもと
に急いだ。
水の流れと足がつくことを利用してあっという間にルークに辿り着く。
その様子を確認したからか、ラピードは再び踵を返すとどこかへと走り去っていった。
ルークinヴェスペリア第8話をお送りしました。
話が短くてすみません。またかよなんていわないで・・・・
ようやくルークとユーリが再会しましたが、まだルークは水の中。
次の話くらいで陸の上に戻れそうです。
というかいい加減陸の上に戻らないと話が進みません。
書きたい事はいっぱいあるのに、話の進み方が鈍行でどうしようかと悩む、今日この頃・・・・・
続きはのんびり待ってください。
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