*1話*
空を覆い隠すように浮かぶ星々。
明るい月明かりに照らされた道を歩く、1人と一匹。
「はぁ、大分遅くなっちまったな」
青年―――ユーリは、すっかり暗くなってしまった空を見上げ、溜息をつく。
それに同意するかのように、ラピードはワフっと答えた。
夜も更けているせいか、道には二人(?)以外に誰もいない。
下町の知り合いに頼まれて屋根の修理を手伝いに行っていたのだが、思っていた以上に手間取り、
家を出る時には中天にあった太陽も、修理が終わった頃には地平線の彼方に去っていた。
修理の礼にと夕食を貰っていたのがせめてもの救いだろう。
とにかく早く家に帰ろうと、少し歩調を速めた時だった。
突然目の前が光に包まれる。
「何だ!?」
まぶたを差すような閃光に目がくらむ。
何かの襲撃かと思い身構えるが何も無い。
差すようだった光が次第に弱まり、真っ白だった景色も目の前の様子を把握出来るまでになった。
戻ってきた視界に飛び込んできたのは、焔のような朱色。
7歳くらいの少年だった。
眩しかった光が、うつぶせに倒れている少年に収束するように淡くなり、そして完全に消え去る。
後には少年だけが残った。
倒れたまま動かない少年に、ユーリは警戒しながらも近づいていく。
「・・・・子供?」
光の塊だった物の正体に、意外な気持ちが湧く。
魔物か何かのたぐいかと思ったのだが・・・・・
「ま、結界の中で魔物ってわきゃ無いわな」
自分の考えの間抜けさに、苦笑が浮かんだ。
先程まで自分の隣で唸っていたラピードは、倒れたままの少年が気になるのかしきりに
少年の匂いを嗅いでいる。
「しっかし何だったんだ。今のは」
目の前で起きた事柄にいまだ理解が追いつかないながらも、先程からぴくりとも動かない少年が気になり、
「お〜〜い、生きてっか〜〜〜?生きて無くても返事しろ〜〜〜?」
かなりふざけた内容を言いながら、少年を持っていた鞘でひっくり返す。
「・・・・・・・・・ぅ・・・・」
ひっくり返った衝撃でか、少年の口から小さいうめき声が漏れる。
「おお、生きてる生きてる」
少年の顔を覗き込むようにしゃがみ込み、脈と呼吸を確認するが、わずかに脈が強いだけで
特に異常は見られなかった。
とりあえず気を失っているだけと分かり、安堵の溜息が漏れる。
外傷の確認をしようと体に視線をやると、少年の衣服に目がいく。
白い外套に黒いズボン、腹の出た黒いシャツ。
所々汚れや傷があるが、使われているのは上等な物だろう。
普段下町で見慣れているものとは、光沢や手触りが違う。
「貴族のお坊ちゃんか?・・・・にしては登場の仕方が変か」
まだ気候は暖かいし、特に外傷も見当たらないしこのまま放置して騎士団に任せるというのも選択肢の1つだが・・・・・・
少年を見つめたまましばし考える。
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
何かを諦めたかのような溜息をついた。
いくら風邪をひかない暖かな気候だとはいえ、7歳ぐらいであろう子供を道に放置しておく事は出来かねた。
ユーリは少年を抱え上げる。
「 ? 」
少年の体に重さという物をほとんど感じなかった。
まるで羽根のようである。
見た目と比較したとしても、この重さの無さは異常だった。
羽根のような軽さなのに、触れる感覚はしなやかでしっかりとした肉の感覚がある。
さっき光ってたのと何か関係があるのか?
「バウっ!」
思考に沈んでいた頭が、ラピードの声で現実に戻ってくる。
視線を足元にやると、急かすような物言いたげな視線と出会う。
「ともかく帰るか。夕食だってまだだしな」
疑問は尽きないが、ユーリは風が吹いたら飛んで行ってしまいそうな少年をしっかりと抱え込み、
家路へと急ぐのだった。
ルークinヴェスペリア第1話をお送りしました。
相変わらずへぼな文章ですみません。
ユーリとルークのファーストコンタクトでした。
ルー君派手な登場です。
ユーリのキャラを捉えきれていないせいで、偽者臭が凄いですが気付かないフリをお願いします。
ルークに体重が無いのにはちゃんと理由があります。
まぁ、なんとな〜く予想はついてしまうかもしれませんが・・・・・・おいおい、明らかに
なっていきます。
続きはのんびり待ってください。
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