*ユリルクパラレル*
この話はユーリとルークは幼馴染で学生です。
そして二人ともちょっと性格が違います。
話自体も短いです。
それらが了承できる方のみスクロールでお進みください。
駄目な方は申し訳ないですが <こちら> からお帰りください。
愛してる
その言葉は決して言ってはいけない言葉。
その言葉を口にしたとたん、今まで居心地良かったはずの関係が終わる事が分かりきっていたからだ。
だからこの言葉は自分の胸の中だけに秘めておく。
彼を前にして、胸が高鳴り、込み上げてくる愛しさに苦しめられたとしても―――――この言葉は口にして
はいけないんだ。
傍らで楽しげに笑い声を上げる幼馴染。
生まれた時から一緒にいるといってもいいくらいの長い付き合い。
自分より年上で自分よりもずっとずっと大人な彼。
本物の兄弟よりも兄弟らしく育った。
自分が彼に対して抱いていた感情も最初は兄弟の念に近かった。
それが異性に抱くような恋情に変わったのはいつだっただろうか。
始まりが思い出せないくらい自然に自分は彼に恋していた。
自分の感情を自覚して、彼の近くに居るのが辛くなった。
だけど彼から離れる事は出来なかった。
実行しようとしたけれど、彼が浮かべたさびしそうな表情に、俺は言いようのない罪悪感を抱いた。
弟として俺を可愛がってくれる優しい彼。
俺が彼に向けている女が男に抱くような感情を優しい兄に心酔していると、兄弟としての感情と偽って彼に
接しているのに。
もうすでに彼を裏切っているといっても過言ではないのに。
一緒にいるのは辛い・・・・・だけど近くに彼が居ないという環境は――――――それ以上に俺を追い詰める。
だから俺は偽りの仮面をかぶり続ける。
本当は口にしたい。
許されるのならば伝えたい。
俺の気持ちを理解してもらいたい。
俺の感情を受け入れてもらいたい。
叶いはしない幻想だとは分かっていても、その誘惑が常に俺を誘う。
誘惑に乗ってはいけない。
口にしてはいけない。
一番彼に近いこの位置を、こんな一言で失いたくない。
だから俺は今日も口を閉ざし、自分の気持ちにふたをする。
言ってはいけない。悟らせてはいけない。
毎朝鏡に向かっての自己暗示。
「ルーク〜?まだ準備が終わらねえのか?」
下のリビングから呼びかける声が聞こえて、ルークはビクッと肩を震わせた。
言い聞かせるかのように鏡の向こうの自分に向かって呟いていたルークは、誰も居ない事が分かっているの
に部屋を見廻す。
「ル〜ク〜?」
返事がなかった事に首をかしげているような呼びかけ。
ルークはあわてて鏡の前から離れて立ち上がる。
時計に目をやってそろそろ登校時間ギリギリになりそうな時間である事に気付いてあわてる。
どうやら集中しすぎたようだ。
いっこうに返事をする気配のないルークに痺れを切らしたのか、階段に足をかける音が聞こえた。
「今行く!すぐ行くからっ!そっこー行くから!!あがってくんなよ!」
部屋まで来られてはたまらないと叫びながらあわててかばんを引っつかむと、乱暴にドアを押し開けて部屋
を飛び出る。
制止の言葉など聞こえていませ〜ん、とばかりに階段を登りきった幼馴染と危うく正面衝突しそうになった。
寸での所でよけると今度は階段から落ちそうになる。
が、そうなる前に彼――――ユーリが腕を掴んで引き戻してくれた。
「うわっとあぶね!―――――ったく、気を付けねえと階段からまっさかさまだぞ?」
何そんなにあわててんだよ。とユーリは苦笑した。
朝から情けない所を見られて恥ずかしさからルークは自分のテンションが一気に下降するのが分かった。
だがそれもユーリに腕の中に抱き込まれるまでの事だった。
「うわっ!ちょっ、ユーリ何してんだよ」
いきなりの事に自分の声が上ずるのを抑えるので精一杯で顔が真っ赤に染まるのを抑える事が出来なかった。
心臓が口から飛び出るんじゃないかと思うくらい高鳴るのが分かる。
「ん、いや?・・・・・・お前また縮んだか?」
何かを確かめるようにルークの頭にあごを乗せて、ルークを腕の中に囲い込む。
「っ!縮むわけぬぇだろ!!!!俺は今成長期の真っ只中だっちゅうの!!!!」
からかわれた事に気付いたルークは怒りの声を上げて自分の大きさを誇示してくる相手の足を遠慮なく蹴り
つける。
「って!!いきなり蹴る事ないだろ。成長期の割りに全く伸びる気配がないから心配してやってんの、俺は」
「うるさいっ!それ以上言ったら絶交してやる!!ユーリの女男〜〜〜!!!!!!」
悪気が1パーセントも含まれていない暴言にルークは体全体で怒っているぞという表情を浮かべ、自分を囲い
込んでいた腕を跳ね除けて悪気100パーセントの暴言を叩き返すとものすごい勢いで階段を駆け下りていった。
それを両手を挙げて見送ったユーリはっくっくっくと楽しそうに肩を揺らして笑った。
「顔を真っ赤にしてまあ・・・・・・・・可愛いやつ」
ルークが怒ると分かっていて行った行動。
顔を真っ赤にして目の端に涙を浮かべてにらみ付けてくるまん丸な瞳。
全てがいとおしい。
あの小動物のような幼馴染が大好きだった。
出来る事なら彼の全てが欲しい。
自分の抱いている感情が普通でない事くらいは分かっていた。
それでもユーリはルークが欲しかった。
そしてルークも自分を欲している事を知っていた。
相手に好意を持ったのは自分が先。
自覚をしたのは幼稚園の頃だった。
その時から自分を好きにならせるために一生懸命努力してきたのだ。
彼の事をずっと見つめてきたのだ。
腹芸など出来ない愛しい愛しい幼馴染の感情など手に取るように分かった。
彼が自分から離れようとしたときは焦ったが、それも結果的には彼が自分の気持ちを自覚するきっかけになっ
たのではないかと思う。
これではれて両想い。
後はどうやって恋人同士になるか、だ。
それが何よりも難しい事が分かっているのだが、ユーリは焦るつもりはなかった。
彼の気持ちが育つのをずっと待ち続けたように、彼が自分の気持ちを抑えきれずに自分に打ち明けるのを待ち
続けるつもりだ。
ここまでくるのにもう10年以上掛かっているのだ。
後数年くらいだったら待つ事が出来る。
ユーリはまだ笑いが収まらないのか肩をっくっくと震わせながら逃げていったルークの後を追う為にゆっくりと
階段を降り始める。
ルークが拗ねた表情で頬を膨らませながらも玄関で自分の事を待っている事が分かっているからだ。
ああ、なんて愛しい俺の幼馴染。
彼の気持ちが育ちきるまでいつまででも待つつもりではいるけど、逃がすつもりはさらさらないんだよ。
拗ねたような顔をしながらも不安そうな瞳を自分に向けてくるであろうルークを想ってユーリは楽しげに笑みを
浮かべた。
パラレルユリルク。
突然頭に降ってきて夜中のテンションそのままに書き上げたシロモノ。
片想いと見せかけてガッツリ両想いな二人。
ルークがツンデレになりました。
ユーリは何故か腹黒になりました。
前半がルークの心情、後半がユーリの心情だったりします。
分かり辛くて申し訳ないです(汗)
こういう恋愛模様が実は好きだったり・・・・・・・・
やってしまった自覚はありますが後悔は全くしてなかったり。
土下座の準備だけはいつでも出来てます!
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